『二回目の人生』
今日は18回目の誕生日。
私は大好きな彼と一緒にデートに出かけていた。
「おい、そんなにくっつくなよ」
「いいじゃない、減るもんじゃないし」
幼なじみの彼に告白されて、幸せな日々が続いていた。
私はこれからも、ずっと幸せな日々が続くと考えていた。
しかし、そんな日々の終わりはいとも簡単に終末を迎える。
デート中、飲酒運転の車に衝突された私と彼。
そう、単なる交通事故・・・
しかし私の人生はこれで、あっけなく幕を閉じたのだ。
これが一回目の人生・・・
そして今、私は小学校にいた。
現在の私は、小学三年生の木下美貴(きのしたみき)。
そう、私は生まれ変わったのだ。
ほとんどの前世の記憶を持ったまま。
正直、小学校で行われている授業なんて、笑えてくるぐらい簡単だ、前世でそんなに頭が良い方でなかった私も、中学校の因数分解ぐらいまでは多分余裕であろう。
「ふっ〜」
私はあまりのつまらなさに、窓から空を覗いた。
こうして、空を見ていると大切なことを思い出すような気がして、私は大好きだった。
そう、私が、どうしても思い出せないこと。
そして、どうしても思い出したいこと。
それは、彼の名前と自分だった・・・
前世の時大好きだった、あの人の名前。
あの人に、愛されていた私の名前。
そもそも、彼は生きているのだろうか?
こうして、私が生まれ変わったのだから、彼も、もしかしたら生まれ変わっているのかも知らない。
いろいろ思いが巡る。
しかし、やっぱり思い出すことは出来ない。
小学生は、下校が早い。
そんなに、友達がいるわけでもない私は、すぐに家に帰る。
そう言えば今日は現在の私の誕生日だった。
しかし、全く何て事を思い出してしまったんだ・・・
あの事件を思い出しそうで、私は誕生日が一年で一番憂鬱だった。
「は〜」
しかし、家族はそうでないらしい。
一人娘の私の誕生日をそれは豪勢に祝う。
私は、子供には出来ない愛想笑いを、家族に返していた。
それに気をよくしたのか、解っていない父親は、部屋から古いジュエリーボックスを持ってきた。
それを開いて、中からペンダント取り出し見せるなり父親はこう話しだした。
「これはな、父さんが向かし大好きだった人に送ろうと思って、買っておいたペンダントなんだよ・・・でもな、その人渡そうと思ってた誕生日の日に交通事故で亡くなってな・・・結局、渡せずじまいになったんだよ」
私は、その話を聞いて驚いた、まるで前世の自分のようだと思ったからだ。
しかし、父親はそんな私に気がつきもせず、そのペンダントを私の首にかけ話を続ける。
「そのペンダントはな、写真が入るようになってるんだ、それでな中に入っている写真は、その大好きだった人の写真が入っているんだよ」
私は、その言葉を聞いて慌ててペンダントを開き写真を見てみた。
!!!!
そこには前世の私の笑顔が写っていた。
そうだ思い出した。
私の大好きだった人の名前は木下貴之(きのしたたかゆき)・・・つまり今の私の父親だ・・・
私はあまりの出来事に呆然とした。
しかし父親は話をやめなかった。
「それでな、父さんお前が生まれた時、生まれたばかりのお前を見て、どうしてだか知らないが、すごくその大好きだった人にそっくりだって思ったんだ・・・もちろん、父さんはその人の赤ちゃんの頃までは知らないから、どうしてそう思ったかは解らないんだけど・・・そこでな、父さん決めたんだよ、その大好きだった人の名前をお前につけようってね、それで美貴ってつけたんだよ・・・」
父親は涙ながらに語った・・・
しかし私はその日、父以上に泣いていたかも知れない・・・
こうして私は、前世の記憶を全て取り戻したのだった・・・
『あとがき』
こんにちは。木々野ひだまりです。
今回の作品は、CMをみていて思いつきました・・・(ヤクルトの古田が生まれ変わったら次はキャチャーしないって断言してるヤツ)
だいぶ、作品の間隔が開きましたが、質的には落ちてないでしょうかね?
とにかく、この作品は読む人によってシリアスエンドにもなり、ハッピーエンド(そこまではないか?)にもなる作品です。
皆さんはどちらでしたか?
ちなみに僕は・・・・内緒にしておきますw
では、もし次生まれ変わったときに会いましょう〜♪
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
うそです・・・冗談です。
次回の作品で会いましょう〜♪
最後まで読んでいただき、有り難うございました。
であ〜(o・ω・)ノ))ブンブン!!
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